「タロとジロ」

 

新しく出た本のご案内です。

タロとジロ 南極で生きぬいた犬 (講談社青い鳥文庫)

 

6月に稚内に行ったのは、この本を書くための取材でした。
カラフト犬のことを書くなら、実際に会って触って――でなければ言葉に入魂できないなと思いました。
犬仲間は、わかってくれたな。

今、日本にカラフト犬は3頭しかいません。
第一次南極観測隊が出発した昭和31年の頃には、主に北海道で使役犬として活躍していたのですが。
犬のはたらき場所をモータリゼーションがカバーするようになり、流行病を駆除するために野犬化した犬たちを行政が捕獲して殺処分したこともあり、カラフト犬は激減しました。野犬化した犬のなかには、「もう用済み」と捨てられたカラフト犬も含まれます。

わたしが会いに行ったカラフト犬は、2000年サハリンからもらわれてきた犬たちのうちの一頭です。
ふふ、そろそろお見せしましょうかね。6月からじっと温めてた写真ですよ~。

メスの11歳、はなちゃんです。

東京から来た人間のおばさんに、明らかに戸惑っていました。目を合わせてくれません。
でも警戒もしてないんですね。
なんだかおっとりしています、ぜんぜん神経質じゃない。
もちろん、ひと声も吠えませんよ。

精悍なお顔ですね。
ありがたいことに食いしん坊。わたしが持って行った馬肉ジャーキーをがっつがっつと食べてくれました。

こちらはご近所に住む、わさお――じゃなくて、ちゅらちゃん。秋田犬のちゅらちゃん。
対照的にとても人なつこい。
「おばさん、だれ?だれ!」
と寄って来ます。
なんと飼い主さんは、通信担当として30年前南極越冬隊に参加した方でした!

みんなでお散歩に出かけました。
わたしもリードを持たせてもらいましたが、はなちゃんはわたしの横をゆっくり歩いてくれました。
でもお父さんの方が気になるようで……なんども振り返る。それがとてもかわいくて!

はなちゃんは、数年前まで、飼い主さん(カラフト犬保存会)と一緒に犬ぞりレースに出場していたそうです。

これは、貴重な写真。
飼い主さんが子供の頃飼っていたカラフト犬。
カラフト犬には、はなちゃんのような短毛種と写真の犬のように長毛種の2種類がいます。
雪の季節、小学校には、このわんこにスキーをひっぱってもらって通ったそうですよ。
「学校が終わるまで、校庭につないでおくんだ」
そうです! 牧歌的な風景が目に浮かびますね。

帰る日、もう一度はなちゃんに会いに行きました。

 今度はしっかり、見つめてくれました。
わたしのこと、覚えてくれたんですね!
はなちゃんは、夏も冬も屋外ですごします。
北海道では、冬がんがんに暖房を入れるので、暑さに弱いカラフト犬には快適じゃないんですね。
北国の犬、はなちゃんは、ニッキーとはちがう匂いがしました。
もっと犬くさい犬でした。
はなちゃん、わたしが車に乗り込むと、「くーん」と鼻鳴きしたのです。
また会えるといいけどね……元気でいてね。お父さんと仲良くね。
会いに来て良かった、そう思いました。

「タロとジロ」” への10件のフィードバック

  1. 君の名を異国の書店の棚に見るこの感動をいかに伝えん

    東多江子著 素直になれたらへこましたい発見! 感激!

  2. 出前1冊!(笑)
    此処には有隣堂はありませんが、紀伊国屋があります。
    入手可能です。
    タロとジロ プレゼント好適品キャンペーンをやろう!
    あなたの大切な人 子 孫 甥 姪 隣の人
    誕生日プレゼントに最適。
     
    どうかしら。

  3. ありがとう。そちらで手に入りますか?
    できることなら、この手でお届けしたいところです!

  4. タロとジロ 上梓おめでとうございます。
    有鱗堂平積み快挙!おめでとう。すごい事です。
    文 東多江子 写真 岩合光昭 ゴールデンコンビ
    なんと贅沢な本。
    多くの人に感動が与えられますように。
    読みます。読みます。

  5. ありがとうございます!
    感想聞かせてくださいね。
    (有隣堂で、思わず冊数数えてしまった、苦笑)

  6. 待ってました!! 9月の何時かな・・・? と首を長くして待ちました^^
    そういえば・・・北海道行きの件はブログにアップされていましたが、
    肝心の犬の写真が無かったことに読んで気がつきました・・・
    話を聞いて写真を見たような気になっていたのかな???
    イメージ通りの写真でした。

    ガッテン!! 恵比寿の有隣堂へ明日走ります^^v

  7. 野武士、わたしの中ですぐに浮かんだ言葉もそれでした。
    うれしいなあ。
    とても魅力的でしたね。
    無愛想だけれど、人間とちゃんと信頼関係が作れる犬なんだ、とはなちゃんから確信を得ました。本見つけてみてね。恵比寿の有隣堂では平積みになってました。

  8. カラフト犬というのはちょっと「野武士」のような雰囲気があるね。高級ドッグフードで育った最近の甘ちゃん犬(なんて言うと叱られそうだけど)とはかなり違った野太さを感じます。
    新しい本、どこかで探して読んでみます。

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