プリズン・ドッグ


NHKBSの世界のドキュメンタリーで、「プリズン・ドッグ」を観た。
アメリカの青少年刑務所では、受刑者の更生のために、犬の世話をプログラムとして採用しているところがあるという。
青少年……と言っても、日本の少年院とはちがうようだ。
強盗や傷害致死の罪に対して、数年の、人によっては10年以上の刑を言い渡された青年たちが、寮生活を送っている場所である。

このプログラムの主催者は、捨て犬や虐待されてきた犬を、保護センターから引き取ってきて、青年ひとりひとりをその担当として当てる。



 担当になった青年は、まずその犬に名前をつけ、シャンプーや食餌など身の回りの世話をし、家庭犬として巣立たせるために、しつけも行う。





 青年たちとの交流によって、人間への信頼を取り戻し、「まともな」家庭犬に生まれ変わった犬たちは、一般家庭にもらわれていく。
 青年たちには、別れが待っている。



 これから犬の親となるファミリーに引き渡した後、
 背中を向けて歩き出し、ひとり、
「ジギー……」
 と犬の名前をつぶやく青年が印象的だった。
 捨て犬や虐待された犬に、自分を重ね合わせる青年もいるのかもしれない。
 自分が担当する犬が決まり数ヶ月を一緒に過ごすあいだに、青年たちは、忍耐とはぐくみを身につけ、その表情も生き生きと若者らしいものに変わっていく。
 このプログラムに参加した受刑者の再犯率は、限りなくゼロに近いという。

 主催者のおばちゃん(トップの写真の金髪の人)は、卒業していった犬たちの家庭での様子をビデオに撮って、青年たちに見せる。
 これは番組制作者の演出かなとは思ったが、テレビ画面に映し出される犬たちと再会する「元担当者」が、それぞれに、目頭を熱くしたり、照れながらもやさしく見つめたりする姿には、ほんものの感動があった。
 愛されているという自覚、何かを達成したという自信……人間が生きていく上で不可欠なものを、改めて見た気がした。

 それにしても、盲導犬に始まり、聴導犬、麻薬探知犬、災害救助犬、介助犬、セラピー犬と、
「きみたち、どんだけ、人間に役立ったら気がすむねん」
 という気になるではないか。
 役立たせてるのは人間の方だけれど……。
 つねに、期待を上回っていく犬たち……不思議な生き物だなあと思う。
 


 


 

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